「好きな色」の調査結果


はじめに


 この調査は、当サイトで、1997年4月1日から6月28日までのおよそ3か月の間に「好きな色」を1色選んでいただいた結果をまとめたものです。


なんてったって、僕はブルー。でも私はピンク!

男性はブルーが大好き!といった結果が強く出ています。これに対し、女性はピンクが好き!と答えています。男性は、ブルー、ライトグリーン、ターコイズ系など、ブルー系からグリーン系にかけての寒色系が好みのようです。
女性では、ライトピンク、ストロングピンク、レッドなど赤系が上位で、次にターコイズとブルー、そしてパープル系の色が顔を出してきます。
この様子を見ると、男性−青、女性−赤という、ごくつきなみな結果と先ずは言えますが、色彩の選択バリエーションの広さの点では女性に軍配が上がります。

上位色の結果 (全体・性別と年齢別)

全体 男性 女性
13-15 16-18 19-22 23-29 30-39 40-49 50-59
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左表に、全体、性別、年齢別の上位色をまとめました。回答数が少ないため、分布率ではなく色の出方だけを掲げています。全体に、明るい色、強い色を選ぶ傾向が見られます。
今年のファッション関連の色彩を見ると、1960年代から70年代に人気があったイエロー、オレンジ、イエローグリーンなどが目につきますね。また、春から夏の店頭では、ターコイズブルーのディスプレイも目立ちました。こうした流行の色も関係しているのでしょう。好きな色として挙げられている色を見ると、多分に流行の色との関連が感じられます。 「好きな色は何ですか」と具体的な商品などを特定せずに選んだ色のことを「純粋嗜好色」といいます。この純粋嗜好色では、ブルー系が世界的に人気があります。また、数字の好みでは7が選ばれることが多く、これはよく「ブルーセブンの法則」などといわれます。今回の結果にも「青7法則」は成立するようですね。

次に個々の色でなく、色系統(色相)別の集計結果を見てみましょう。

この結果にも、男性の寒色好み、女性の暖色好みがはっきりと出ています。また、これはたまたまの結果かも知れませんが、19歳から49歳までの比較的回答数が多い年代層の結果を見ると、次第に暖色が減少しています。暖色の中では、一昨年から流行し出しているブラウンやオレンジが年齢層が上がるほど少なくなっています。これは色の流行に敏感に反応する度合いを示しているのかもしれません。50−59歳のデータは回答者1名だけのものです。

青系とピンク系をうまく使うといいかも

デザイン開発に携わっている方々にとっては、どのような色が売れるか、は気になるところでしょう。今回の結果をどう感じますか?
商品では特殊な場合を除いて、ケバケバしい色や、刺激の強い配色はあまり好まれません。今回の結果を参考にするとしたら、市場性の比較的高いターコイズとピンクが気になる色だといえるでしょう。また、ライトグリーン(ペパーミントグリーン)も比較的市場性のある色です。純粋嗜好色は商品色の好みとはかなり異なる部分もあります。が、中でもこうした市場性の比較的ある色にはトライする価値はあるかと思います。特に白や黒や紺との組み合わせで使うことをお勧めします。ナマな感覚で使わないように、あくまでも趣味良く使ってくださいね。

主張の弱い色は純粋嗜好色では好まれない?

次に、色彩のトーンの好みについて見てみましょう。

純粋嗜好色の調査では、一般に澄んだ色(清色系という)が好まれます。この傾向は今回の結果にも如実に現われています。特に女性に顕著に見られます。年齢別では、年代が低いほど清色好みが強いことが分かります。
ただし、これはあくまでも純粋嗜好色についてであって、商品色ではかならずしもそうはなりません。特に服飾やインテリアの場合には「大人」っぽい感覚で色を使いたいという気分が関係しているのでしょうね。純粋嗜好の色は、自分の体から離れた道具類、具体的には文房具(ステーショナリー)などで有効になるでしょう。
自分がどう見られるかではなく、自分が見て「奇麗、かわいい」と思えるものに使われるケースが多いということになります。これは、自分の分身のような「気分」の反映とも考えられます。
いずれにしても、濁色系、暗色系は嗜好率が低いということがわかりますね。


心の問題として考えると・・・


さて、今回の結果を皆さんはどう感じたでしょう。ここで、私なりの時代の気分という視点で考えてみようと思います。

永遠で清浄なるものへ


これは、「色占い」コーナーにも書いたのですが、青への憧れが先ず挙げられます。青は、空の青、そして澄んだ水の色です。無意識に「奇麗だ」と感じるものは人にとってとても大切なものであり、それは心の一部になりきっている証です。「クリーン」であること。逆に言えば「クリーンでない」事が多すぎるのでしょう。自然のさわやかな色を思わせるような青や緑の選択は、そんな心を思わせます。
結果を見ると、19歳から30歳代へと移行するにつれて、グリーン系の嗜好率が増加しています。30歳代の皆さんは、きっと仕事、家庭、子育てなどなど最も忙しいはず。安らぎの緑系が好ましく見える気分が出ているように見えます。たまには、パッとストレス解消を!


夢見る二十歳

今回驚いたのはピンクの多さです。ピンクの象徴は、優しさ、夢、愛、希望、女性、温かさなどです。女性にはおなじみの色ですが、ここでは、夢や希望、そして何よりも「優しさ」への憧れを象徴する気分の反映であるように思えます。
19歳から22歳の皆さんの回答では、オレンジ系の回答も多めです。オレンジは、愛情の象徴、そして太陽の色。つまり希望の色です。若い頃は不安と希望がアンバランスな時期ですよね。
夢のピンク、そして、希望のオレンジ。夢とは逆に言えば逃避にもなります。せちがらい世の中の動きをみると、そんな気分も分かります。


ブルーの清浄、夢のピンク、希望のオレンジ。未来はきっと明るいよ!


総括すると、清らかなるもの、夢のあるもの、希望を与えるもの、そして、緑の安らぎ。まさに現代日本のちょっとなさけない状況から脱し、何か元気を与えてくれるものを探し求めているような。そんな感想を持ちました。
以上簡単ではありますが、自分なりの解釈を交え、結果をお知らせします。
アンケートご協力をいただいた皆さんに、あらためて厚くお礼申し上げます。
皆さんのご意見などありましたら、「クラブハウス」でお話しましょう。
では。

アンケート概要

調査に使用したパレット


このパレットは、jpgファイルとしてサイトに掲載したものです。解答者のディスプレイの特性によって、再現色の違いが生じますが、色域としては一般的な色名として使用される39色の色数で構成してあります。

アンケート回答者プロフィール

・有効回答数 117
・男性 51名(44%) 女性66名(56%)
・回答年齢構成
        13−15  7名 ( 6%)
     16−18  5名 ( 4%)
     19−22 26名 (30%)
     23−29 39名 (46%)
     30−39 27名 (32%)
     40−49 12名 (14%)
     50−59  1名 ( 1%)

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