21世紀の色アンケート結果
はじめに
この調査は、「21世紀のイメージカラー」についてまとめたものです。昨年8月16日からおよそ半年の間に、当サイト上で300余名の皆さんにご回答をいただきました。ご協力いただいた皆様に心からお礼申し上げます。
カラーの持つイメージは広範で、さまざまな心理的要因を含んでいます。「21世紀」というものを、そうしたさまざまなイメージを包含するカラーに例えることで、単一の言葉では表現できないものが現れると思い、調査を試みたものです。
21世紀はやっぱり、「健康、穏やか、さわやか」でいたい!!
下図に色相とトーンの全体分布を掲げました。代表的なイメージカラーは、グリーン系とブルー系です。
性別では、男性は女性に比べるとグリーンとブルーが多く、女性ではピンクとオレンジが男性よりもずっと多くなっています。ピンクのイメージを因子分析すると、優しさ、夢、暖かさ、女性らしさ、さわやかさなどの項目が上位に出てきます。
一方、男性に特に多いブルー系では、健康、若さ、現代性、落ち着きなどが上位となります。グリーンでは、自然、安らぎ、落ち着き、健康などブルーと似ていますが、安らぎ感がより強い反応となります。前回の「生活と色」でも同様だったのですが、「健康、安らぎ」がある未来になって欲しいという心理でしょう。逆に言えば、今は疲れている人が多いのかもしれませんね。
また、意外だったのは紫(およびライラック)への反応が強いことでした。ライラックのイメージは、ほとんどピンクと同じですが、女性らしさの度合いがピンクよりも強くなります。また洗練感も強い色です。ただ、紫系は心理的には青と赤という対極の中間にある意味で、やや安定性に欠けるところがあり、その分不安心理が上昇します。ですから、「夢を描きたいけど先行き、ちょっとわからんなぁ」という不透明感が反映されているのではないかと考えられます。
トーンへの反応を見ると、これまで実施してきた「好きな色」「生活と色」とほぼ同様に、ストロングカラーとライトカラーへの反応が高く、これは男女ともほとんど変わりません。いずれにせよ、「前向き」に未来を捕らえたいという意識が強いと考えておきたいと思います。
がんばれアダルト世代!!
次に、上位色個別の反応を性別、年齢別に見てみましょう。上位色ベスト10を以下の表に示しました。女性は元気な色が多いですね。これに対し、残念ながら男性にちょっと元気がないようです。また、ちょっと暗い感じが30才以上になると漂ってきます。
「景気が悪くてさ」という声が聞こえてきそうな雰囲気です。特に、40才代のゾーンは人数も少なく、男性がほとんどを占めているのですが、何か不安、陰鬱な色が多いですね。ちょっと元気出しましょうよ!!
また、「好きな色」では、若いほどストロングカラーやライトカラーなどのいわば、元気・健康色が多いものですが、21世紀のイメージに対しては、13才から15才の中学生ゾーンが意外にも落ち着いた色が多めです。けっこう冷静に未来を見つめている感じがします。あるいは、グレイッシュトーンやダルな鈍い色は、何らかの不安を将来に感じているのかな?
16才〜29才ゾーンは、似たような反応で、はつらつとした色が多く並んでいます。まあ、元気が一番というところでしょうか。特に16才〜22才ゾーンでは、赤、強いピンク、オレンジ、イエローなど、動的・活動的な暖色系の色が目立ちます。未来への積極的展望を抱いている元気な心が伝わってきます。
上位色 | 全体 | 女性 | 男性 | 13-15 | 16-18 | 19-22 | 23-29 | 30-39 | 40-49 | 50-59 | 60- |
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受け止め方次第なのだから、明るくやりましょうよ!!
今回の調査では、特に年代別で反応がかなり異なっています。「ちょっと落ち込み型」は13-15才ゾーンと40-49才ゾーンに2極化。で、「明るく行動的な未来」という反応は16-22才ゾーン。「不安もあるけど、落ち着いて安らぎのある21世紀がいいな」というのは23-39才ゾーンと50才以上のゾーンといったところでしょうか。
21世紀という未来の現実の姿は誰にもわかりません。そして、ある出来事や、ある物事の事実は一つだとしても、それを見る心理はさまざまで、その受け止め方次第で、反応が変わっていく。そんな結果を今回はとても強く感じました。
こうしたことは、旅行に行って、同じ所を見たきたはずなのに、その仲間が皆違う印象を持つのと同じです。明るく考えるか、暗く考えるかは実は私たちの心次第であって、事実自体は淡々とそこにあるわけです。その事実のどの部分に注目するか。その注目の仕方自体に、自分の心の潜在的なフィルタがかかっています。
その結果行う行動の、ささいなひとつひとつが、実は私たちの未来へひとつひとつ確実に連なっていくわけです。
事実が変わらないものであれば、ここはひとつ、明るく捕らえた方が得だな、なんて私は考えてしまいますが、皆さんはどうでしょう。
「そうはいっても、事情が許さないことだってあるじゃん」という声が聞こえましたよ! そう、それどうするかは、あなた次第です。
アンケート概要
調査期間 1999年8月16日〜2000年2月15日
回答者数 男性 71名 女性 232名 合計303名
年齢別回答者数
13-15 24名
16-18 14名
19-22 98名
23-29 89名
30-39 60名
40-49 9名
50-59 7名
60- 2名
調査に使用したカラーパレット 以下のJPG画像から回答を得ました。
アンケートにご回答をいただいた303名の皆様に、重ねて厚くお礼申し上げます。